
植物が持つ生理活性物質、ファイトケミカルは、
野菜を丸ごと摂るようにすれば、十分量を補うことができます。
植物が持っているファイトケミカルは、皮の部分に多く含まれているので、
そのまま、丸ごと食べることが良いとされています。
現代人は、野菜に限らず、米などの穀物類は精製して食し、
そして、魚や肉などは、バラバラにして、美味しいところだけを残して、食べているわけで、
本来、体の中に入るはずだった栄養素を無駄にしているとわけです。
魚の内臓などには、微量栄養素が豊富に含まれ、
頭部にはリンやカルシウムなどが多く含まれています。
丸ごと口にすれば、各種の栄養素が万遍なくとれますが、身を分けてしまうと、
脂肪分やタンパク質ばかりで、必要な微量栄養素は、摂れません。
食糧不足に陥った時代には、ビタミンB1の絶対量が不足して、
脚気になる人が出てきたり、ビタミンAの不足から、夜盲症の症状を訴える人もありました。
現在は、そこまでの症状にはいかなくても、その前段階にあたる、
潜在性栄養素欠乏状態になっている人が増えていると言われていて、
それが原因で、慢性的な体調不良、それに不定愁訴になる人も多くなっているようです。
基本は、毎日の食事から、代謝に必要な栄養素、タンパク質、糖質、脂質、
ビタミンやミネラルを確保して、その上で、ポリフェノールなどの
ファイトケミカルを補うことが大切です。
飽食の反動や食品成分についての情報が溢れてきたことで、
食物繊維だけを多くとったり、脂肪を一切摂らなかったり、
糖質をカットする等の低インスリンダイエットなどが流行していたりしています。
それが原因になって、栄養バランスを崩し、
栄養失調から体調不良に陥ってしまうという逆転現象も起こっています。
こうした事からも、食事は、様々な食品をバランスよくとることが大切です。
現在は、ハッキリとわかっていませんが、将来、明らかにされる、
栄養素も気づかないうちにとっているのかもしれません。
野菜や果物は、ファイトケミカルの色素成分に着目して、
赤、橙、黄、緑、紫、黒、白の7色で捉えて、
7色そろえば、ビタミン、ミネラルも、ファイトケミカルも自然とバランスよくとれます。
じゃがいもの煮付なら、ジャガイモ(黒)、タマネギ(黄)、
ニンジン(橙)で3色、キヌサヤ(緑)をプラスすれば、七色取れます。
具沢山味噌汁なら、根菜、葉菜、キノコ類などと一緒に食べられます。
献立する時は、1週間単位で考えると無理なくとれます。
ポリフェノールのような抗酸化物質は植物の色素や味の成分で、
ほとんどの野菜や果物に含まれているので、普段の食事で野菜や果物を十分にとっていれば
特別にワインやココアを飲む必要はありません。
特に、赤ワインにはアルコールが、ココアには脂肪や糖分が多いので注意しましょう。
過ぎたるは及ばざるが如しです。