
二足歩行を始めた人間にとって、
体重を支える膝関節や股関節が、年とるに従って、
次第にすり減り、痛んでくるのは宿命です。
歩く時には体重の2~3倍、膝に負担をかけますし
階段を登ったり降りたりする時には、
さらに5~6倍も負担をかけることになります。
整形外科で行われる膝痛の治療では、
痛みを抑えることを目的に、適度に安静を保ち、
膝への負担をコントロールし、薬を使って、
炎症を抑える処置がとられます。
関節液や軟骨に含まれるヒアルロン酸という成分は、
潤滑油のように関節の働きを滑らかにし、
衝撃を吸収するクッションとしての役割をもっています。
ヒアルロン酸の注射を1~2回程行えば、
1~2週間ほどで痛みから開放されることが多いです。
実は、治療がうまくいって膝痛が収まってからの
この時期が特に大切になってくるわけです。
何となく、痛みがあるかないかの状態が状態の時に
シッカリと膝のケアをしておかないと、後で炎症を繰り返したり、
膝関節の変形が進んでしまったり、完全に歩くことが
できなくなって、その後、寝たきりという事も考えられるわけです。
関節炎を起こしたことがきっかけになって、
膝回りの筋肉や靭帯、筋などの組織が硬直化していくと
次第に柔軟性が失われていく事になり、
ちょっとした動きからでも、痛みを発しやくなります。
そして、炎症が慢性化してくると、
関節の老化もかなり進んだ状態にあると言えます。
膝痛の痛みが緩和しているこの時期のケアが大切です。
その方法としては、柔軟性を保つようにすることです。
関節周囲の血流を良くすることです。
マッサージや温熱療法などでも血流改善の効果がありますが
手軽にできる方法としてオススメなのが
ちょっとした時間を使って、自分で行うストレッチです。
ためしてガッテンで話題になった膝のお皿のストレッチ
ストレッチ運動も慣れていないと
痛みも伴い、恐る恐るになると思うので
最初から、長時間行わないのがコツ。
無理をしないことと、継続させることがカギです。
その他、お風呂に入っている時ににのぼせない程度で、
正座の練習をするといったことを毎日繰り返す事も効果的。
膝を力いっぱい、そしてゆっくり伸ばしても
違和感がなくなる、最後は綺麗に正座ができるようになれば
OKですね。
太ももの筋肉を鍛えて痛みを緩和
大腿四頭筋という、膝上の太ももの筋肉を鍛える運動です。
膝にかかっている負担をこの筋肉でカバーしようというものです。
椅子に腰掛けた状態で、背筋をまっすぐ伸ばして
片足をまっすぐ伸ばします。
かかとに力を入れて、突き出すように伸ばすのがコツ
10秒~15秒程静止させて、その後ゆっくり下ろします。
この運動を左右別々、無理のない回数からはじめて
徐々に回数を増やしていくようにします。
この運動、知り合いの整体師の先生に教えてもらいましたが
慣れてきたら重りになるような物を足首につけて行うと
筋肉のつきも早くなります。
膝の痛い人に教えてやってもらっているようですが、
膝痛が改善された方が多くいるそうです。
膝痛がうまく改善したかどうかの目安
1、30分以上無理なく歩けるようになった
2、階段を上り下りしても痛みがない
3、何かにつかって、片足でくりスクワットができる
以上3点ができるようであれば合格です。
高齢者の場合は特に、生活の質が下がらないように、
膝痛から老化、転倒、寝たきりとならないような心がけが必要です。
膝の痛みが気になって、かばって歩いたりしていると
重心線姿勢が悪くなり、正常な腰の反りがなくなって、
背中が丸くなり、その分膝の負担も大きくなってしまいます。
痛みが気にならないように、回復させたいものです。