
朝食前に排便する習慣を持っている人と
朝食後に排便する人がいます。
朝食後に排便をもよおすのは、食事をしたことで
胃・大腸の反射が起こる為だと言われています。
便秘解消での専門家のアドバイスで多いのが
出ても出なくても、食事をした後に
トイレに座る癖をつけましょうというものです。
しかし、起床後すぐに排便したくなる人がいるんです。
それは一体どんな働きがあるのでしょう?
その答えは、モチリンと呼ばれる
消化管ホルモンが働いている為なのです。
朝食を摂った方が良いのか悪いのかの是非については
意見の別れるところですが、
モチリンの分泌を良くして腸の蠕動運動を活発にしておけば、
スムーズな排便へと促すことができます。
モチリンが腸の蠕動促す!
モチリンは胃腸の掃除屋で、何も食べない時間が
8時間程つづいてくると、徐々に分泌するようになり、
空腹時間が長いほど活発に分泌されます。
おなかが空いた時に、おなかが鳴ることがありますが
それはモチリンが分泌されているというサインです。
日本経済新聞 電子版より転載
モチリンが分泌されるたびに胃腸が激しく収縮し、
粘膜に溜まっていた残存物がきれいに掃除され、
直腸の方へと運ばれていきます。
モチリンの働きで掃除されたものが、
便として排出されるので、腸はきれいになるわけです。
なのでモチリンが十分に分泌されていない段階で
朝食を摂ってしまうとお腹の掃除が完全にできず、
それが宿便となって留まってしまうわけです。
モチリンの働きを良くするには
モチリンは、若くて胃腸が健全な場合、
空腹時間が6時間つづく程度で分泌されますが、
加齢とともに分泌されるまでに時間がかかるようになります。
また、多く食べるほど、
モチリンが分泌されるまでに時間がかかります。
育ち盛りの元気の良い子供が、お腹が空いたといって
起きてくることがありますが、
こういう子供は、前日の夕方に食事をし、しっかり睡眠をとり、
しかも胃腸が健全だという証拠です。
さらに排便をスムーズであり、日中はたっぷり働いて
エネルギーも消費します。
こうした胃腸にとっての好循環サイクルが
朝からお腹が空いたという状況をつくり出してくれます。
しかし、夜遅い時間に食事をした場合、
朝の7時、8時にモチリンはまだ活発に分泌されません。
そうしたタイミングで食べ物を摂ってしまうと
胃腸の働きが悪くなってしまうのは
仕方がないのかもしれません。
モチリンの働きをよくして、宿便を排出し、
腸の蠕動運動を良くしていきたいものです。
おなかが空いたという感覚がなく、ただ時間がきたから
惰性的になった食習慣が腸の動きを悪くしていると言えます。
一昔前の人と比べて、便利になった分
体の生理を理解して、生活習慣を組み立てていく
必要がありそうですね。