
現在、日本には、100万人を超えるうつ病の患者がいるといわれています。
その中でも増えているのが女性だそうで、お昼のバラエティ番組「バイキング」では
特に主婦の間で増加中といううつ病の特集が組まれて紹介されていました。
近い将来、日本では、4人に1人の確率で、うつ病患者増えていくと言われています。
うつ病の治し方には、様々なアプローチがありますが、できれば
予防をしたり、早めの段階で何とかしたいものです。
自分で取り組みことができる方法の一つとして、食事栄養面からのアプローチで、
予防や改善法について書いてみたいと思います。
ブドウ糖は脳のエネルギー源!
栄養面から見てみると、うつ病には、神経伝達系、自律神経系、
それにホルモン系などの異常があって、ビタミンやミネラルの欠乏や
アンバランスなどが関係していると言われています。
脳細胞は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源として大量に利用していますが
材料となる炭水化物は、未精白の穀類やイモ類からとるように心がけましょう。
白米などの精製穀物からは糖を代謝するビタミンB群が取り去られているため、
糖が脳で有効利用できないばかりか、体内の他の作用に必要なビタミンB群まで消耗されてしまいます。
精白された砂糖は、砂糖キビなどの原材料から糖分だけを抽出したもので
食品よりは化学薬品に近いとされていて、この糖分の人工的で純粋な結晶物は
血糖値を急激に上昇させてしまい、その反動から低血糖症を引き起こし、
思考がうまく働かせる事ができなくなってうつ症状が出てきます。
神経細胞間の刺激を伝達し、感情や思考などに重要な役割を果たす神経物質は、
食物中のタンパク質の構成要素であるアミノ酸を原料にビタミン、ミネラルの
働きによって、身体の中で合成されます。
必須アミノ酸の8種類~9種類は、人間の身体の中ではうまく合成できないので
食物から取り入れる必要があります。人にとって理想のタンパク質は
穀物と豆の組み合わせ、(ご飯と納豆)によって、必須アミノ酸は理想的な
バランスで摂ることができます。
お肉などの動物性タンパク質にはリンが多く、カルシウムの排泄を促すので、
カルシウム不足によるうつ症状が起こる危険性があります。
必須アミノ酸のトリプトファンからは、精神安定作用のある神経伝達物質
セロトニンが、同じく必須アミノ酸のフェニルアラニンからは
精神を高揚させる興奮性の神経伝達物質ドーパミンやノルアドレナリンがつくられます。
また、フェニルアラニンから神経伝達物質がつくられる過程で、
フェニルアラニンはまずアミノ酸のチロシンに変換されますが、チロシンがあると
気分を快活にさせ、うつ症状の改善に効果を発揮するようです。
この他、アミノ酸のグルタミン酸は、脳で、ブドウ糖の分解を促進して
脳機能を活発にするγアミノ酪酸という神経伝達物質の材料になり
必須アミノ酸のメチオニンは、即効性のある抗うつ剤として知られています。
精神神経系に大切な働きをする微量栄養素
ビタミンB群
脳細胞では、ブドウ糖を唯一のエネルギー源として大量に利用していて
糖の代謝に働くビタミンB群は、脳にエネルギーを供給するのに不可欠です。
その他にも、うつ病の改善に有効な様々な作用があります。
カルシウム
99%は骨や歯に貯えられていますが、残りの1%は血液中や筋肉、
神経細胞などに存在し、緊張興奮を鎮めて気分をリラックスさせる働きをします。
しかし、摂取不足や他のミネラルとのアンバランスによって
カルシウムが骨から溶けだし、神経細胞に蓄積されると、イライラや
神経過敏が引き起こされます。
リン
ビタミンB同様、糖を代謝して脳で有効利用できるエネルギーを産生します。
リンを多く含む加工食品や牛乳、清涼飲料水、肉などを大量に摂取すると、
カルシウムとリンのバランスが崩れ、カルシウム欠乏によるうつ症症状を起こします。
ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を促進したり、血液中のカルシウムを
一定に保つ作用があります。
マグネシウム
ビタミンB群とともに、精神・神経の安定に働きます。また、カルシウム濃度を
調節し、カルシウムが細胞内に流れ込みすぎて、毒性を発揮するのを防ぎます。
マンガン
ビタミンB群と協力して、糖の代謝に働きます。
バナジウム
インスリン抵抗性を解決し、低血糖によるうつを予防します。
クロム
インスリン分泌をコントロールし、低血糖症によるうつを予防します。
鉄
ヘモグロビンの構成成分として、酸素を運ぶ役割をしておいて、不足をすると
脳が酸欠状態になって、気力の落ち込みや集中力、思考力の低下を引き起こします。
ビタミンC
アドレナリンの合成に関与し、副腎の消耗を防いでストレスに
強い身体をつくります。また、鉛や水銀、カドミウムなどの有害金属に
毒性を抑えたり、鉄の吸収を促進することも
うつ症状の予防や改善に役立ちます。
セレニウム
有害金属の排泄を促進します。
銅
有害金属の毒性を抑え、神経障害を緩和します。また、鉄の吸収を高めたり
ドーパミンの生成にも関与します。
ヨウ素
甲状腺ホルモンの成分となり、交感神経を刺激して精神活動を活発にします。
リチウム
自律神経の機能に関与し、躁うつ病の治療薬として用いられます。
うつの症状として、心や体の活動力が低下し、体の不調から食欲の低下が
起こってくると普段でも不足しがちな栄養素が、尚更、とれなくなります。
その結果、必須アミノ酸、微量栄養素が足りなくなってくると、さらにうつ病の
症状が悪くなってしまうので、食事や栄養面からアプローチとして
人の食性に合った範囲で、必須アミノ酸を補うこと、それに、不足しがちな
栄養素のついては、マルチビタミンやミネラルなどの総合微量栄養素などを
積極的に補うことが必要です。
微量栄養素、サプリメントは、良質のものを選びましょう。
あまりにも高い価格のものや、逆に安すぎるものは?がつきます。
内容量がシッカリと書かれたもの、栄養素以外、余分なものが
入っていないものを選ぶようにしましょう!
栄養素の摂取は、薬と違うので、毎日の積み重ねが必用です。
細胞の新陳代謝の流れに合わせて、食事、栄養療法を実践してみましょう。