
カルシウムの摂取量が不足していると
骨密度が減るだけでなく、肥満にも影響を与えてしまいます。
ダイエットをしていてもなかなか成果がでない
ある程度のところまで体重が減っていても、
その後、停滞期が続いている場合は、
積極的なカルシウムの摂取が効果を上げてくれます。
カルシウム不足が肥満を招くメカニズム
食事からのカルシウムの摂取量が不足してくると、
脂肪細胞のエネルギー代謝が悪くなり、
肥満を引き起こしてしまいます。
そのメカニズムについてですが、
血中のカルシウム濃度が下がると、
副甲状腺ホルモンのパラトルモンの分泌量が増えます。
これと連動しているのが小腸の働きで、
小腸はカルシウムの吸収率を上げよう働きます。
その時、ビタミンDを作る酵素も同時に活性化し、
ビタミンDを増やそうとするのですが、
結果、脂肪細胞の中に多量のカルシウムが流れてくる事になります。
脂肪細胞内のカルシウム量が増えることで、
脂肪酸合成酵素の遺伝子が活発に働き出し、脂肪酸合成を
促進させるようになります。
さらにこの酵素は脂肪の分解を抑制し、
肥満になりやすくなるということです。
その反対に食事からカルシウム摂取量が増えてくると、
ビタミンDのパラトルモンが低く抑えられ、
脂肪内での脂肪酸合成が抑制され、
さらに脂肪の分解が促進されます。
その結果、脂肪細胞が減り、肥満が抑制されるということです。
さらに、カルシウムが十分だと
エネルギー消費量も増え、肥満抑制に働くというわけです。
このメカニズムについては、人を対象とした、
疫学研究でも証明されています。
ダイエット停滞期にはカルシウム摂取を
このメカニズムを理解すると、何故ダイエットがなかなか
うまくいかないこともわかってきます。
ダイエット時には、極端な食事制限や
バランスの欠いた食事になりがちですが、
それと比例するように、カルシウムの摂取量も減ってしまいます。
カルシウムが減ると肥満になりやすくなる
メカニズムは、上記で説明した通りです。
常時、カルシウムが足りない状態が続くわけですから
体の中では肥満へと進めていく作用が働きます。
一所懸命、ダイエットの努力をしても
期待される結果が起こりにくくなるわけです。
特に、食事量を減らして、ある程度の体重が落ちても
その後、停滞期が続いている場合は、
積極的なカルシウム摂取が壁を破ってくれるかもしれません。
カルシウム不足で身体が脂肪を溜め込む体質に、
変わっているとすれば、サプリメントで補うといいでしょう。
カルシウム摂取、吸収率の良いサプリメントを
利用することをオススメします。
もちろん、吸収率も大切ですが、マグネシウム等の
他のミネラルやビタミンなどとのバランスを考えられたものを
摂取するようにしましょう。
画像:畜産産業振興機構より
ちなみに、日本人の食事調査からも
カルシウム摂取量と肥満の関連が報告されたデータがあります。
カルシウム摂取量が多くなるにつれて
カロリー摂取量が増えてきますが、BMIはまったく変わっていないというものです。
このことは、カルシウムを十分にとると
カロリーをたくさん摂っても太らないことを示しています。
カルシウムを多く含んだ、食べ物を摂っていると
肥満予防に効果があるということを裏付けしたものなのですね。
普段の生活の中に、是非取り入れた知識ですね。