
お風呂は、清潔にしてくれるだけではなく
体の内側から温めてくれ、代謝が良くなるなどの
様々な健康効果が期待されるものです。
しかし、気温が低くなる冬場の入浴は
高齢者をはじめ、高血圧などの持病を持っている人にとっては、
注意しなくてはならない点がいくつかあります。
お風呂が大好きな日本人は多いと思いますが、
冬場の入浴で気をつけなければいけない事を
いくつか上げておきたいと思います。
今、日本では、入浴時の事故で年間にして、
14000人の人が亡くなっていると言われています。
8割が65歳以上の方で、その多くは、
心筋梗塞や脳卒中などの血管に関係する病気です。
危険があるのは高齢者だけではありません。
メタボが進行している人、
高血圧や糖尿病を持っていて、動脈硬化が進行している人は、
同様な危険が潜んでいるということです。
脳出血、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症、
そして、意識障害には十分気をつけたいものです。
暖かい部屋から、脱衣場で服を脱いだり、
浴室内で冷たい水に足が触れたりする、
また、熱い湯に浸かった直後では、
血圧が急激に上昇から脳出血を起こすことがあります。
入浴中、血液が急激に温まってくると、
血小板の働きが良くなり、活発化した血小板同士が
絡まって血栓ができやすい状態にあり
体が温まって汗をかいてしまうと
体の水分が不足してきて、血液がドロドロになり
血栓によって血管がつまりやすい状態になります。
そして、お風呂か出た直後は、血圧が下がります。
その時、血栓が詰まりやすくなり、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めてしまうというわけです。
また、入浴後に発作は起こらなくても、
翌早朝になってから、発作を起こす場合もあるので、
特に水分補給には十分、気をつけたいものです。
ちなみに、翌朝の血栓のリスクを下げるためには、
起床時間の8時間前に、納豆を食べておくといいですね。
冬場の入浴であっても、血管の老化、動脈硬化が進行していなければ
余程のことがなければ、危険は少ないものですが、
メタボ体質の人は思っている以上に危険な面があるので、
入浴前後、入浴中には、十分注意をしてほしいと思います。
また、熱いお湯に入っていると、のぼせから一時的に
意識がもうろうとすることがあり、
血圧が急激に下がって、貧血から意識を失い、
そのまま、お風呂の中で、溺れてしまうという場合もあるので
高齢者の場合は特に気をつけたいものです。
入浴時の危険を防ぐには、お湯の温度やその浸かり方が大切です。
脱衣場は入浴する前に暖めておくようにしましょう。
温度に差がありすぎると、血圧の変動を招きやすいの注意。
暖房器具をあらかじめ用意して、22度~24度を
目安に入浴前に温めおくことです。
浴室も服を脱いでしまう前に暖めておきましょう。
浴槽の蓋を開けておいたり、お湯を床にかけておくようにします。
お風呂に浸かる場合は、乳首より下にお湯がくるようにし
心臓に負担をかけないようにすることです。
お湯の温度は少しぬるめと感じる温度、
40度前後になるようにしましょう。
少しぬるめの温度のお風呂に入ることで、
血圧や心拍数の上昇は緩やかになり、胃腸の働きもよくなります。
筋肉も和らぎ、心もリラックスできる状態にあります。
ぬるめのお湯に20分間ほどつかれば、
温められた血液が20回ほど体中を循環することになるので、
体の芯から温まることになり、湯冷めもしにくくなります。
入浴後は体をよく拭くことと、
適度な水分の補給を忘れないことです。
正しい入浴法は、危険性以上に多くのメリットがあります。
なので、冬場の入浴の危険性をよく知って、
プラスの面を活かして、健康増進に努めましょう。