
慢性胆嚢炎は、胆嚢の働きそのものが悪くなり
胆汁を濃縮することなどができなくなってしまう疾患です。
何度も繰り返し急性胆嚢炎になることで、
慢性胆嚢炎に移行するケースと、
胆石によって胆嚢壁がいつも刺激されることによって
慢性胆嚢炎になる場合があります。
動物性脂肪の多い、欧米化した食生活により
特に40代~50代の女性に多く見られるので
気をつけたいところです。
慢性胆嚢炎を起こすと、胆嚢の壁が次第に厚くなり、
変形し、大きさも一回り小さくなっていき、
なかには、胆嚢の壁にカルシウムが沈着してしまい、
固まってしまうことで胆嚢自体が
全く働かなくなってしまうものもあります。
慢性胆嚢炎が疑われる時には、画像診断によって、
胆嚢のサイズや形、胆嚢壁の変化を調べます。
急性であれば、血液検査でわかる異常も、
同じ胆嚢炎であっても、慢性では、GOT、GPT
LAP、γGTPでも異常が出てきません。
通常の慢性胆嚢炎だけでは、特に症状が見られません。
食事の後に、胃のあたりが重く感じたり、背中の鈍痛、
食欲不振といった胃炎によく似た症状があらわれます。
そして、食後に感じる胃のもたれや膨満感があっても
大抵の場合、時間が経てば無くなってしまうので、
過去に急性胆嚢炎を経験した人であれば、軽い胃炎程度と
受け取ってしまうことが多いです。
しかし胆石症と指摘されたことのある人は、
このような胃炎のような症状がある場合は素人判断せずに、
専門の医療機関で検査してもらう事が大切です。
なかには壁の一部に胆嚢がんが見つかるケースがあります。
慢性胆嚢炎は、急性胆嚢炎のような痛みや高熱などの
急性症状はみられません。
その為、基本的に鎮痛薬などの薬を用いた治療法を行いません。
急性胆嚢炎の症状と治療法・予防では脂っこい食事と過食に注意を!
治療では、ハッキリとした症状があって、
胆嚢が機能してないようであれば、急性胆嚢炎と同様に
胆嚢の摘出手術が行われます。
反対に、胆嚢がしっかりと働いていて、
症状がない場合は、定期的な検査を行い(経過観察)
食事内容を改善して、胆石ができないようにします。
また、わずかでも胆嚢がんが疑われる場合は、
胆嚢を摘出して、組織を採取、がん細胞の有無を検査する
場合もあります。
経過観察の場合、食事内容で気をつけたい点が
脂肪の摂取量で、1日の摂取量を30~40g程度に抑えるのが基本。
朝食抜きの生活をしていると
夕食を摂って、昼食をとるまでの間が16時間ほど
開くことになりますが、
そうなると、長時間、胆汁が分泌されずに、
昼食後に分泌される胆汁が濃くなってしまうため
そうなると胆石ができやすくなります。
こういった点も気をつけたいところです。
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