
睡眠に関係するホルモンのメラトニンは、
以前は、国際線のキャビンアテンダントらが時差ボケ防止の為に、
利用しているということで、話題を集めていました。
最近では、生化学の発展にともなってメラトニンの
今まで解明されていなかった働きもわかってきたこともあり、
再び注目を集めているようですね。
ココでは、あらためて、メラトニンが持つ効果についてと
その分泌を良くする為には、どのようなことに
気をつけたらよいかなどを書いてみたいと思います。
メラトニンが持つ主な働きは次の三つになります。
◇ 自然な眠りへと誘う睡眠ホルモンとしての働き
◇ 免疫細胞をつくりだす胸腺を刺激する免疫力強化の働き
◇ 活性酸素を除去する抗酸化物質としての働き
体内時計を修正してくれているのがメラトニンです!
地球時間では1日は24時間になっていますが
人の体内時計は1日25時間で回っています。
メラトニンが、この体内時計を修正してくれていたわけです。
その働きがあって、人は時間のズレを意識することなく
生活することができるわけですね。
3人に1人から、2人に1人ががんになる時代!
メラトニンは様々ながんの発生を抑える働きが注目されています。
現在、乳がんをはじめ、前立腺がん、大腸がん、脳腫瘍、
子宮体がん、肝臓がんなどでその効果が報告されています。
がん細胞は、1日に3000個~5000個が
体内で発生すると言われています。
それが、がん組織へと進展しないのは、白血球の働きで
がんが大きくなるのを防いでくれているからです。
その処理は、主に夜中、寝ている時間帯に行われている
ということを考えると、質の良い睡眠へと誘う
メラトニンの作用が関係していると思われます。
最近では、卵胞の発育に比例してメラトニンの分泌量が
増えるということから、不妊治療においても、
その効果が期待されるようになっています。
メラトニンの分泌量は、加齢とともに減っていき、
40代では20代の半分の分泌量になっています。
若く、美しく、健康で、元気に長生きしていくためには、
メラトニンの分泌量の減少を極力緩やかにしていく必要があります。
それでは、メラトニンを出すにはどうすればいいのでしょう?
そのポイントは”眠るタイミング”にあります。
メラトニンは、朝、太陽の光を浴びることで、
その刺激剤が脳に伝わり、分泌のタイマーがセットされます。
脳の松果体からの分泌がはじまるのは、
その15時間後、ということは、太陽の光を浴びて
15時間後に眠っていないとメラトニンの恩恵が得られません。
脳からメラトニンを出させるためには必要な光の照度は、
最低でも”1500~2000ルクス”が必要です。
曇りや雨の日の朝でも、太陽の光なら十分効果が得られます。
しかし、蛍光灯などの室内の照明器具では、
500ルクス程度しかないので、照明を利用するだけでは、
メラトニンの分泌にスイッチは入れることができません。
体に不調のない人であれば、朝の太陽光を浴びれば十分です。
今ひとつ、体調がすぐれない人は、睡眠障害の人専用に、
現在、人工的に高照度の光を出せるライトも販売されています。
そうしたものを使って、メラトニンの分泌される
時間帯に合わせて、調整するようにしましょう。
海外などではメラトニンのサプリメントが薬局で
簡単に購入することができますが、日本では、ホルモン様と
名前がつくものは、未だにお店で購入することができません。
医師に処方を書いてもらうか、
個人輸入で手に入れることができます。
短時間で時差の激しい国に行き来しなくてはならないとか、
眠らなければならない状況に置かれているときなどは
一時的に利用するのもいいかもしれません。
但し、習慣的に使ってしまうと、本来、分泌されるべき
メラトニン自体の量を減らしてしまう可能性があるので、
その点は、気をつけなければならないと思います。
できるだけ、体内時計の働きに従った生活を送ることで、
自分のメラトニンの分泌させることが一番です。
筋肉と同様に、使わなければ衰えていくというのが
自然の仕組みなので、ある程度の年をとったら、
睡眠ということを基準にして生活をパターン化するといいですね。