
脂肪肝は、血液をドロドロにするなど、生活習慣病の下地になり
さらに、肝炎や肝硬変へと進行するリスクも高くなります。
肝硬変へと進行してしまった肝臓は、再生能力が高くても
正常な状態には、簡単には戻りにくくなってしまいます。
脂肪肝の改善には、基本的に、食べ物の選択と、食事の摂り方が重要です。
アルコール性脂肪肝の対策
アルコール性脂肪肝については、禁酒や節酒を第一です。
飲まないのが一番ですが、飲むんでも一日に日本酒なら一合、
ビールであれば大瓶一本、ウィスキーならダブルで一杯程度。
アルコールでダメージを受けた肝細胞の修復には
2~3日かかるので、週に2日は休肝日を設けることも大切です。
納豆や豆腐などの大豆製品をつまみにします。
良質なタンパク質を多めに摂る事が肝細胞の再生を助け、
肝臓への負担を軽くしてくれます。
肝硬変まで進行すると、禁酒しても進行を
遅らせるのが精一杯!肝臓が機能が低下しないうちに
肝臓にやさしい飲み方をし、脂肪肝を予防しましょう。
非アルコール性脂肪肝対策
高脂肪食を控えるのはもちろん、甘いものや果物などの
取り過ぎにも注意が必要です。
果物に多く含まれる果糖は、中性脂肪に変化しやすい上
今の果物は人工的に糖度を高く改良しているものが多いので
食べすぎは禁物です。
食生活の改善
脂肪肝を防ぐには、伝統的な和食を基本にすることが大切です。
肝臓内で各種の代謝に働く酵素や、中性脂肪を肝臓から
運び出すリポ蛋白はすべてタンパク質からできていますし
肝細胞の再生にはタンパク質が不可欠なので、穀物と豆の組み合わせで
良質のタンパク質をしっかり確保することです。
食物繊維は、脂質や糖質の吸収を遅らせたり
余分な脂肪分を吸着して排泄するのに役立ちます。
昆布やわかめに含まれる食物繊維成分のフコイダンには
肝細胞増殖因子の分泌を高め、傷ついた肝細胞を修復する効果もあります。
大豆に含まれる配糖体の一種、大豆サポニンには、ブドウ糖が
中性脂肪に変化するのを抑えたり、脂肪の吸収を抑制して
分解を促進するなど、脂肪肝予防に優れた効果があります。
脂肪のつきにくい食べ方
食事時間が不規則で、空腹時にまとめ食いすると
糖分の吸収が高まって脂肪になりやすくなります。
寝る直前の飲食も脂肪がつきやすいので避けるべきです。
また、現代人はよく噛まないで早食いする傾向があり、
満腹中枢が刺激される前に食べ過ぎてしまいがちです。
一口食べ物を口に入れたら、30回~50回、ゆっくりよく噛んで食べる習慣をつけましょう。
良く噛んで食べることは、正しい食事をする上で特に大切です。
脂肪肝は、暴飲暴食が引き金となって起こりますが
反対に、過度のダイエットも肝臓から脂肪を運び出すリポ蛋白が十分に
つくられず、脂肪肝を起こしやすくなります。
極端な食事制限や単品ダイエットは、体に負担をかけるので止めましょう
NASH対策について
非アルコール性脂肪肝から、肝炎、肝硬変へと進行する
非アルコール性脂肪肝炎はここ数年で、にわかに注目されていますが、
現在のところ治療法は確立されていません。
医療機関では、食事療法と運動療法による減量、
肝臓にたまった鉄を減らす瀉血療法、抗酸化ビタミンのC、Eの併用投与
脂質異常症治療薬や肝庇護薬、血糖降下剤の投与などが行われています。
脂肪肝は、目立った自覚症状もなく、健康診断などで
偶然に見つかることがほとんど。自覚症状がないだけに
習慣として、それまでの食生活を続けがちになります。
肝硬変へと進行しないうちに、食生活の改善を行うことが大切になります。