
欧米化した食事の影響によって
大腸がんの発生率は年々増加しているといわれています。
そのことから、大腸がんを予防する為には
食べ物の選び方だけでなく、食べ方にも気をつける必要があります。
そして、もう一つ大切なことが”運動”です。
運動が大腸がんのリスクを低下させる
というと意外に感じるかもしれません。
しかし、これは最も確実性が高いと評価されている
大腸がん予防の一つです。
これまで行われた疫学研究の結果によると
ほとんどの調査からわかっているのが
運動による大腸がん予防の効果です。
なかには、リスクが半分近く低下するという
報告もあります。
自衛官を対象とした調査から
運動をよくする人ほど大腸腺腫ができる
リスクが低いことや
職業的に活動量の多い人ほど、
座ったままで仕事をしている人より大腸がんの
発症リスクが低いといったデータがでています。
アメリカの国立がん研究所のデータによる
大腸がんの中でも、特に結腸がんについては、
5割近く低くなるとの結果も出ています。
なぜ運動することが
大腸がん予防することにつながるのかというと・・・
● 大腸の働きを促進して便通をよくするので、
発がん物質がすみやかに排出される、
運動することで、腸の蠕動運動が刺激され、
大腸内にたまった、内容物の通過が促進されます。
腸内で内容物が停滞する時間が長くなるほど
腐敗物質が生まれやすくなり、
さらに腸内環境が悪化してくると
腸管免疫が低下してくるからです。
排泄物は、できるだけ早く、体外に出すことが
大腸がんの予防につながります。
● がん細胞を攻撃するナチュラルキラーという
免疫細胞の働きを高める等が深く関係しています。
持久的な運動ががんの発生、増殖を抑制することで、
免疫機能を高めるとの報告もあります。
また、活性酸素の影響でDNAが傷つくことが考えられていますが、
習慣的に運動を続けることでその活性酸素から
身を守る働きが高まることも知られています。
軽い有酸素運動が大腸がんの予防に有効だった!
体を動かすこと、それも顔がゆがむほど
強い運動でなく、
いわゆるニコニコペースでできる有酸素運動を
行うことが大腸がん予防に役立ちます。
そういう意味では、やや速くあるくことが一番身近な運動です。
具体例としては、
毎日、1日の合計で60分以上(8000~10000歩)歩き、
週に1回は60分程度の早歩き、
または水中運動、または軽い体操などの運動を
プラスすることをオススメします。
理想を言えば、少し負荷のかかる歩き、
脈拍が120近く、息が少しあがる、汗ばむ感じが
でてくることが望ましいですね(中強度の運動)
世界がん研究基金では、運動の種類よりもむしろ
運動時間や継続を重視しています。
その勧告によると、毎日1時間ぐらい元気に歩いて、
週に1回ぐらいは汗ばむ程の運動が勧められています。
運動が苦手ならば、掃除やガーデニング、
サイクリングや水泳など、
とにかくできることで毎日1時間ぐらい
体を動かすことを続けるようにしましょう。
テレビをみたり、机の前に座って
1日中体を動かさない、
そういう生活が
大腸がん予防にとっては大敵ということになります。