
女性ホルモンの代表が、エストロゲンです。エストロゲンは、卵巣で分泌される天然のホルモン。
そして、エストロゲンは、女性ホルモンのなかでも最も重要なホルモンのひとつです。
膣、子宮内膜の周期的な変化という女性の生殖に関する
重要な組織をコントロールしているということです。
女性は、更年期を迎える頃になると、エストロゲンの分泌量が次第に
減っていき、自律神経失調症、五十肩、皮膚のトラブルなどを抱える事になります。
米国では90年代になって、閉経後にエストロゲンを補充することによって
アルツハイマーの発症率が低下したり、すでにアルツハイマーに
かかっている人でも認識能力を高める効果があることが明らかになっています。
実験によるとエストロゲンを投与すると脳内の血流が10パーセントから
20パーセントよくなることや脳の情報伝達に関係するアセチルコリンの
代謝もよくなることが確認されています。
また、脳の中枢をコントロールするグリア細胞の活性化も確認されていて
エストロゲンを利用したアルツハイマー病対策に期待が持たれます。
ただし、多量のエストロゲンが乳がんなどのがんの発生に関係することも
指摘されているので、どの程度の量が必要かは、検証しなくてはならないようです。
エストロゲンと拮抗しているホルモンがプロゲステロンです。
プロゲステロンは、卵巣や副腎でつくられる性ホルモンの一種。
主なはたらきは、受精した卵子が着床しやすくなるように
子宮内膜の状態を整え、妊娠を維持したり、月経周期の異常を修正します。
プロゲステロンは、副腎皮質ホルモンやテストステロンの前駆物質として
女性だけでなく男性の健康状態に影響を与えるため、不可欠なホルモンです。
男性は女性よりも、プロゲステロンの分泌量が少ないのですが
前立腺肥大症と前立腺がんの予防や治療に有効な働きをすることがわかっています。
プロゲステロンの作用によって、活力の増大、健全な性衝動の回復、
睡眠障害の緩和が起きると言われていて、
エストロゲンは、過剰になると乳がんのリスクが高くなりますが、
反対にプロゲステロン欠乏状態では、がんの発症リスクが高まると言われています。
幼虫がさなぎになり、やがて蝶へと姿を変えていきますが
これも、ホルモンのチカラです。
ホルモンは、ほんのわずかな量であっても、体に劇的な変化もたらします。
その為、その分泌量や他のホルモンとのバランスが大切になってきます。