
クモ膜下出血は、脳卒中の脳出血に分類されます。
そして、このクモ膜下出血を引き起こす原因の凡そ8割以上が
脳動脈瘤によるものです。
脳神経外科で、現在、取り扱われている病気の中で、
最も多いとされています。
脳の動脈瘤は、その名のとおり、脳の動脈にできる瘤のことで、
その大きさは、せいぜい5~10ミリ程度のサイズです。
この瘤が、頭蓋内にあるだけでは、特に症状がでることはあまり多くないと言われています。
この瘤が破裂して出血を起こして、はじめて発見される病気です。
脳の局所症状として、動脈瘤が発生している場所と出血の程度によって、
眼瞼下垂、複視、視野や視力の障害、半身麻痺、失語症、健忘症など、
様々な症状が現れてきます。
ただ、こうした症状が、現れなくても
クモ膜下出血の症状だけだったという人も5割に達するので、一概には言えません。
急に現れる症状として、注意すべきところは、
突然、物が二重に見えるようになる、眼瞼が下がってくる、
眼球が外側に向くなどです。
こうした症状が現れてくるのは、動脈瘤のサイズが拡大し、
瘤ができている周囲の動眼神経を圧迫して、麻痺を起こしてしまうためです。
この時に、適切な治療を行っていないと、瘤が破裂して、
大出血を起こし、生命をなくしてしまう恐れがあるので、気をつけたいところです。
脳動脈瘤の原因は、脳の動脈癖の一部に動脈硬化や血圧の影響がプラスされて、
風船が膨らむように突出部をつくり、
それが次第に、拡大して、血管の細胞が脆くなる年齢に差し掛かった頃に、
破裂すると考えられています。
脳動脈の破裂は、一度破裂して出血してしまうと、
一か月以内に再度破裂してしまう確率が非常に高く、
次に破裂した時には、死に至るリスクが非常に高くなってしまいます。
最初の出血が、極、軽度のものであれば、
一週間ほどで頭痛もなくなり、治ってしまったような感じがし、
発作がわかりにく場合もありますが、
それとは反対に、一回目の発作自体が、わかりづらいという場合もあり、
その場合、気づかずに手遅れになってしまう場合もあります。
普段、病気に無縁な感じな人でも、
脳動脈瘤の破裂は、突然に起こってしまうので注意が必要です。
40歳を超える年齢で、体に異常を感じたら、
先延ばしにしないで、脳ドックを受診するようにしましょう。
破裂寸前の、隠れた動脈瘤が見つかるかもしれません。