
脳梗塞や脳出血など、いわゆる脳卒中は、
冬場に多い病気というイメージがありますが、
脳梗塞の場合は、夏場に発症するリスクが高くなります。
その原因として、多量の汗を出してしまうことで、
体が脱水状態になり、水分補給がままならないと、
血管を流れる血液がドロドロした状態になり、血管が詰まりやすくなるから。
又、水分補給については、夏場だけでなく、他の季節にも、
十分気をつける必要があります。
特に高齢者の場合は、喉が渇いているのに、渇いている事がわからないという事も。
夜、寝ている間に、脱水症になって、脳梗塞を起こすケースも多いです。
季節毎に、調査した男女の脳梗塞発症の比較というものがありますが、
その調査によると、冬場は女性患者の割合が他の季節よりも高いとう数値が出ています。
そして、脳梗塞のタイプでは、ラクナ梗塞とアテローム血栓性梗塞は、
夏場に最も多いという報告があります。
ラクナとアテローム
脳梗塞には、脳の中の細い血管が狭くなって詰まるラクナ梗塞、
比較的太い動脈が狭まり、血栓が付着して血管が詰まるアテローム血栓性梗塞、
心臓でできた血栓が飛んできて詰まる心原性脳塞栓症の三つのタイプがあります。
このなかでも、注目されるのが、アテローム血栓性梗塞で、
これは、ここ数年で、急激に増えているタイプの脳梗塞です。
原因としては、特に動物性の脂肪摂取量が多い食生活との関係が指摘されています。
動物は、人間よりも、体温が高いです。動物の体の中で、
スムーズに流れている脂も、体温の低い、
人の体の中では、固まりやすく、血液の流れを悪くします。
逆に、海水で、泳いでいる魚の脂は、体温が低い中でも、
流れている脂なので、魚よりも体温が高い、人間の中では、血中の脂の流れが良くなります。
国立循環器センターが行った調査によると、地域別検査で、わかったことで、
脂質異常者の多かった地域ほど、アテローム血栓性梗塞を起こした人が多かったようです。
脂肪絡みのアテローム梗塞には、注意が必要です。
アテローム梗塞は、病変を持っている箇所が頭の中にある場合は、
後遺症を起こすことになり、その為、特に注意が必要になります。
日本人の女性の場合は、すでに、頭蓋内アテローム梗塞を起こす率が、
米国人女性よりも高いと言われています。(主に食生活の変化から)
脂の摂り過ぎには、気をつけなければいけませんが、
脂の種類にも配慮するようにしましょう。
脂を摂るなら、エゴマ、シソ、亜麻仁の油、EPA,DHAなど
アルファリノレン酸系の油を摂るようにし、
血管内の血液が流れやすい状態にすることが大切です。
昔は、脳梗塞などは、年寄りがかかる病気とされていましたが、
今では、若年層にも見られるようになっているのが現状です。
脂肪分や糖分、動物性タンパク質が多くなる、
欧米化した食事は、摂り過ぎないように気をつけたいものです。